Column コラム

きがわドックスクール代表 木川武光さん

ワンちゃんケア

このコラムでは、動物に関わっていらっしゃる方にお話を伺い、そのお仕事や思いを紹介しています。

 

今回は、2019年、イタリアで開催された『2019WUSV世界訓練選⼿権』にパートナー⽝ナイト(シェパード)と出場するなど、ドッグトレーナーとしてご活躍されている、きがわドッグスクール代表 木川武光(きがわたけみつ)さんに伺いました。

 

 

 

 

◆    ドッグトレーナーになったきっかけは何だったのでしょうか?

 

木川さん: 子供のころから動物が好きで、⼩学5年⽣のときに飼っていたダックスフントを連れてしつけ教室に通ったのがきっかけです。友だちが飼っていた⽝はいろんな芸ができるのに、僕の⽝は芸ができなかったんです。先⽣が連れていたシェパードが⼈の顔をよく⾒て、⾔葉もよく聞き分けているのを⾒て、⾃分も⽝を訓練してみたいと思いました。それからはずっとドッグトレーナーを⽬指し、⾼校在学中にシェパードの繁殖を⼿がけ、卒業後は⽝の訓練所に⼊り、働きながらたくさんの経験を積んで学びました。

 

 

◆「ドッグトレーナー」とは、どのようなお仕事ですか?

 

木川さん: 主な仕事は、子犬のしつけ、家庭犬のしつけ、訓練競技会などの大会に出場するためのワンちゃんのしつけ、を行っています。最近は家庭犬のしつけのご依頼が増えています。例えば、吠えることが多い、噛みクセがある、いたずらをする、散歩のときにコントロール出来ないくらい引っ張る、といったお困りごとの相談が多いです。犬種ごとの特性や、外飼い、室内飼いなどの環境をみて、問題行動の緩和につながるような接し方を飼い主さんにアドバイスするのも大事な仕事です。

 

ワンちゃんのしつけは子犬の時に始めるのが望ましいですが、成犬になってからでもできます。成犬のこれまでの経験で覚えたことが、かえって訓練に時間がかかることになる場合もあります。しかし、学びに終わりはありませんので、根気よく続けましょう。

 

 

◆ ドッグトレーナーとして30年以上のご経験の中で、以前と比べて何か変化はありますか?

 

木川さん: 外飼いより室内飼いが増えましたね。そして「ペットは家族」という考えが広く浸透しました。これはとても良いことですが、反面過剰に大事にすることがトラブルの原因とも考えらます。

 

⽝と⼀緒に⽣活する際に⼤切なことは、⽝のハウスを置くことだと伝えています。乗り物に乗せるときに⼊れておく『クレート』と呼ばれるもので、サイズも⼤きすぎないものの方が⽝は落ち着きます。⽝はもともと巣⽳で⽣活していた動物なので、外の刺激が⼊らないような居場所を⽤意してあげる必要があります。ハウスは犬の生活空間なので彼らはきれいに保ちます。居場所が整ったら、次は運動です。⽝は本来狩りをして、縄張りを⾒回って⽣活をしてきたので、適度な運動と狩りに代わる遊びが必要になります。だからといって、毎⽇散歩に⾏く必要はないです。『運動=散歩』と捉えがちですが、ボール投げやおもちゃで引っ張りっこをしたりするのもいい運動です。

 

ハウスが重要なもう⼀つの理由は災害時です。避難所で過ごさなくてはならなくなったときに、ハウスなら避難所の中は無理でも、近くに置いておくことはできます。

 

 

◆ 木川さんが大切にしていらっしゃることは何ですか?

 

木川さん: 特別なことではないですが、こつこつやること、そしてあきらめないことです。納得がいくまでとことんやる。そうすれば道は開ける。そんな思いがあって、目標をもってこれまで続けてきたと思います。

 

 

◆    休日は何をされていますか?

 

木川さん: 好きなことを仕事としているのは、とても恵まれていると思います。生き物と関わっているので、仕事と休日の境目がはっきりしていない生活ですが、春と秋に趣味のイカ釣りに出かけます。料理も好きで、ストレス発散になります。

 

◆    どうもありがとうございました。

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